2009年12月30日水曜日

内資系メーカー売上 09年4~9月期、ブロプレスが6期連続トップ

2009年4~9月期の決算発表を基に医療用医薬品の国内売上高上位100品目を下記に示します。

アンジオテンシン2受容体拮抗剤(ARB)「ブロプレス」が売上高684億円(前年同期比1.2%増)で6期連続トップであった。薬効分類別に見ると、ARBが引き続き好調だったほか、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤、抗がん剤、抗リウマチ薬、骨粗鬆症治療薬、消炎鎮痛薬(テープ剤)、いわゆるストロングスタチンなどが好調であった。抗菌薬市場全体は依然としてマイナス成長だったが、経口薬のニューキノロンやマクロライドなどは市場が若干拡大した。

 今年上期に際立って高い伸びを示したのが、インフルエンザ治療薬「タミフル」。前年同期は行政備蓄が一度終了したため、売上高は16億円にとどまっていたが、今年上期には再び行政備蓄が行われたことなどから大きく伸長した。一般流通分の売上高は110億円(685.7%増)、行政備蓄等は144億円(7100%増)で、増収額、伸び率のいずれも飛び抜けて大きかった。

 金額でタミフルに次いで伸びたのは、抗がん剤「アバスチン」、ARB「オルメテック」、抗アルツハイマー病薬「アリセプト」、抗リウマチ薬「レミケード」などで、いずれも増収額が50億円を超えた。伸び率で見ると、新薬の抗菌剤「ゾシン」、アバスチン、消炎鎮痛剤「セレコックス」などの成長率が高かった。

 逆に、競合激戦区や、後発医薬品が参入している市場の製品は苦戦を強いられた。カルシウム拮抗薬「アムロジン」、H2ブロッカー「ガスター」、スタチン製剤「メバロチン」、糖尿病治療薬「ベイスン」、エリスロポエチン製剤「エポジン」などは減収幅が目立った。

 前年同期比で増収だったのは72品目、逆に減収は25品目、横ばいは3品目だった。ランクイン品目数の上位企業を見ると、トップはアステラス製薬の13品目。以下、中外製薬12品目、武田薬品工業と田辺三菱製薬が11品目、第一三共9品目と続いた。

●2009年4~9月期決算・医療用医薬品国内売上高ランキング上位100  (単位:億円、%)
順位 品目 会社名 売上高 伸び率 通期売上高予想
1 ブロプレス 武田薬品工業 684 1.2 1桁台前半の伸張
2 リピトール アステラス製薬 493 4.9 988
3 アリセプト エーザイ 457 19.3 960
4 オルメテック 第一三共 388 24.0 820
5 モーラステープ群 久光製薬 377.35 6.3 763.5
6 タケプロン 武田薬品工業 375 9.6 10%程度の伸張
7 ミカルディス アステラス製薬 357 14.1 724
8 リュープリン 武田薬品工業 338 2.7 前年並み
9 アムロジン 大日本住友製薬 269 ▲11.8 495
10 アクトス 武田薬品工業 265 11.8 15%程度の伸張
11 パリエット エーザイ 262 20.7 520
12 ネスプ/エスポー 協和発酵キリン 257 20.7 400
13 ガスター アステラス製薬 255 ▲4.1 505
14 タミフル 中外製薬 254 1 487.5 530
15 メバロチン 第一三共 249 ▲6.4 470
16 ロキソニン 第一三共 237 25.4 525
17 レミケード 田辺三菱製薬 227 28.2 468
18 ベイスン 武田薬品工業 226 ▲6.2 5%程度の減少
19 クラビット 第一三共 214 9.2 440
20 エポジン 中外製薬 208 ▲4.1 452

2009年12月29日火曜日

キャラクター

年の瀬になりました。

あなたは納得のいく数字が残せましたか?


診療報酬改定ですが、10年ぶりのプラス改定(0.19%)らしいですね。

『本体部分の改定率はプラス1.55%で、薬価はマイナス1.23%(薬価ベースでマイナス5.75%)、医療材料はマイナス0.13%となった。ネットでのプラス分、薬価や医療材料の引き下げ分(約5000億円)を合わせた約5700億円が本体部分のプラス改定にそっくり充てられることになる。救急など急性期の入院医療に4000億円程度を振り分ける方針だ。』

ますます、ゾロ品(後発品)などの安い薬の処方傾向に拍車がかかりそうです。
そういえば、「ノルバスク」(ファイザー社)の後発品もファーザー社が販売するという不思議な現象が製薬会社では起きてます。
後発品への処方傾向を食い止めれないので、それならば自社で販売してしまおう、というコンセプトなんでしょうか。

詳細は不明ですが、MRの社内評価は後発品よりも先発品の方で売上げを出している方が、間違いなく良いはずです。
あまりに値段にうるさい医療機関に対しては、先発品を継続処方頂く事は難しいかもしれませんが、そこは営業マンですから、色々考えていきましょう。


さてさて、ここのところ新薬ラッシュです。
よって、説明会を医療機関で行う機会が増えますね。
しかし、中には説明会やらなきゃいけないのにさせて頂けないというケースもあります。

そこで、今回は色々約束を取り付けたいのに、日程が設定できない問題の解決法です。
「自分はDrに認められてないから、中々接待も説明会も日程がいただけないなあ」

なんて、悩んでませんか。

確かに、たまに凄い存在感というか、強烈なキャラクターとともに得意先に入り込んでいるMRいますよね。

ただ、本当に売上げと強烈なキャラクターが相関しているんでしょうかね。

いやいや、必ずしも強烈なキャラクターが受け入れられて、こちらの提案(説明会や接待)にを受けてくれる訳ではありませんよ。

以前、会社で新人2名に説明会を得意先でやって来いとの話になり、3週間ほど経った頃に、新人1人から状況を聞いたところまったく取れていないとの事で相談を受けたことがあります。

一つ提案として、言葉だけの提案に+αとして、行動を追加してみようという話になりました。

それは何か?

ものすごく簡単なことです。
ある程度営業経験ある方は、失笑するかもしれません。
でも、効果はこの新人2人が証明してくれています。


「手帳」

持ってますよね?

それをうまく使います。


提案(説明会・接待)の時点で、左手に持った手帳を開いて、右手のペンを顎の下辺りに添えておくんです。

これはかなり効果あります。
大体の人は、自分はやっている印象をもっているかもしれませんが、面会時の最初からやっている人ほぼいません。



結果ですが、この相談してきた新人はこれを実践して1ヶ月で5件説明会を実施しました。
そして、新規採用が2件というオマケも付いてきました。


もう一人の新人さんは残念ながら、説明会日程すらいただけなかったという非常に分かりやすい結果でした。



「そんなの得意先が異なるし、
そこ施設の状況もあるから、2人を比較してもしょうがないじゃん」



と言われそうですが、手帳を使った新人は5件とも最初は説明会提案を断られた先での変化ですから、効果は十分あったと言える話ですね。


手帳を使って、

「相手に絶対に日程を与えなきゃいけない」


と言う心的プレッシャーを与えているだけの話ですから、中にはまったく反応しない先もありますが、


やらないよりはやってみて、効果があれば儲けもん


といった感じで試してください。

では、今回はここまでです。

2009年12月24日木曜日

「数字の詰め」と「数字の力」

今号が創刊号です。
まずは、製薬業界の営業マン「MR(Medical Representative)」にスポットを当てて行きますので、宜しくお願い致します。



さてさて、月末ですね。
製薬企業によっては締め月ということもあって、薬局や医療機関にお薬の購入を前倒しでやってもらう

  「数字の詰め」

なるものがおこなわれています。


この「数字の詰め」ですが、外資系製薬企業などでは12月締めになるので外資系MRはかなり必死です。

中には1ヶ月分どころか、2ヶ月、担当交代があるMRなどは 「置き土産」 として3ヶ月分詰め込んで、

後任者に3月まで売上げが出ない状況を作って逃げて行く最低な輩もおります。



ただ、来年はお薬の値段(薬価)が下がる

   「薬価改正」

が行われます。
おそらく、薬局・医療機関側も前倒しの購入を渋るケースが多いのではと予想されます。

今月は、早め早めにお願いに行かないと、全く「数字の詰め」が出来ないでしょう。

ラポールなんかは、12月上旬に薬局・医療機関と交渉してしまったので、全く問題ないです。


しかし、新人MRさんや最近担当が代わったばかりのMRさんは、初めてのお願いということで中々上手く交渉出来ない事も予想されます。

「営業科学」というテーマですので、一応小手先的なテクニックなんかを提案させて頂きます。
実際の営業現場においては様々な状況が想定されますが、おおまかに言うと

    「正確・具体的な数字(数値)で迫る」

というものです。

例えば、とある薬局に高価圧治療薬の前倒しの購入を依頼したい場合だとします。
薬局長「何本くらい欲しいの?」

a,「25mg1000錠を4本ほど前倒しで頂けませんか。宜しくお願い致します。」
b.「25mgを3850錠頂きたいです。この錠数ですとおよそ患者さん64人分ですので、1ヶ月で間違いなく消化出来ます」

明らかに、b の方が良く理解した上でお願いに来ているのと、薬局の「Dead Stock」にも配慮した発言なので好感持てますよね。



これは、リチャード・ドーソン博士という方が、著書「Secrets of power pursuasion(パワー説得の秘訣)」の中で

  「正確な数字を使っている方が、パワーが強い」

と科学的に述べております。

例1)上司に◯×クリニックでの接待申請を提出。上司は「ここ、接待やる意味あんの?」と訝しげな表情。
ここであなたは

a.◯×クリニックは、高血圧の患者さんが多いので売上げが見込めます。
b.◯×クリニックは、外来患者さんの40%は高血圧患者さんで320人/月ですので、売上げが見込めます。

断然、b の方が、OK出しやすいですよね
説得する上で、正確な数字の発言はパワーを持つんですね〜

製品の紹介では、改善率は◯%です、みたいな事言いますが・・・。

それ以外の場合で数字でパワーを得て交渉した事が無いようでしたら、試してみるのも宜しいかと思います、

今回は意外とやってそうでやっていない事を、お話しました。
では、次回。